価値外交の終焉 2014 2 9

 最近では、「価値外交」というと、
安倍首相を連想しますが、
元々は、アメリカが主導した外交が「価値外交」であり、
そもそも、「価値外交」の原点は、欧州だったのです。
欧州と言えば、「人権」と連想する時代もあったのです。
 しかし、「人権」をうるさく言い過ぎると、
中国との貿易に悪影響が出るので、
欧州は、人権について、口をつぐむようになったのです。
 アメリカに関しても、
ヒラリー・クリントンがオバマ政権を去ってからは、
人権や民主主義の「価値外交」が消えつつあるのです。
 「価値外交」に代わって台頭してきたのが、
「経済外交」と言えるでしょう。
 こうした「経済外交」では、
基本的に、人権や民主主義を重視しませんので、
中国にとっては、有利な状況となります。
 「経済外交」の推進は、
同時に、「宥和外交」を意味しますので、
外交的・軍事的には、「事なかれ主義」となります。
 欧州やアメリカが、「経済外交」から導き出される、
「宥和外交」と「事なかれ主義」に陥っている状況で、
中国の軍事拡張が続いていますので、
日本にとっては、厳しい国際情勢が待ち受けていると思います。
これは、軽武装の東南アジア諸国にとっては、さらに厳しい未来となるでしょう。
 私が、数年前から、
「自分の国は自分で守れ」と繰り返し主張しているのは、そういう理由です。
 欧州に続いて、アメリカまでも、
経済的な利益のために、「価値外交」の看板を下ろすということは、
日本にとっては、外交的にも安全保障上も危機が訪れるということです。
 価値外交の終焉は、世界の独裁者や強権政府の指導者にとって、
「枕を高くして眠れる」ということを意味します。

中国、二つの課題 2012 10 20
 私は、2011年10月2日に「党の軍」という文章を書きました。
つまり、中国の人民解放軍は、国軍ではなく「党の軍隊」ということです。
 しかし、これでは、国際法上、大きな問題が発生するでしょう。
早急に、人民解放軍を国軍化すべきでしょう。
 現状では、国務院の国防部は、人民解放軍に対する指揮権を持っていません。
人民解放軍は、中国共産党の軍事部門という位置づけです。
 次に、中国は、党が国家を指導する体制です。
このような体制を維持するならば、
外交担当の責任者を少なくとも政治局委員にすべきでしょう。
 現状では、外交部長(外務大臣)も外交担当の国務委員も、
政治局常務委員のメンバーどころか、
政治局委員にもなっていません。
 これでは、外交軽視・軍重視の体制と言わざるを得ないでしょう。
まるで北朝鮮のような政治体制に近いと思います。
 将来的には、中国の真の国際化を図るために、
外交担当の責任者を政治局常務委員すべきでしょう。

党の軍 2011 10 2
 相変わらず、南シナ海が緊張の高い状態にあると言えますが、
このような状態において、周辺国は、
中国外務省に抗議しても無駄だと思います。
 そもそも、人民解放軍は、中国外務省を見下していると思います。
中国において、「外務大臣」も外交担当の国務委員も、
政治局常務委員のメンバーでしょうか。
いや政治局委員にもなっていないと思います。
 中国は、共産党が国家を指導する体制です。
さらに、人民解放軍は国軍ではなく、党の軍であるという位置づけです。
(国務院の国防部は、人民解放軍に対する指揮権を持っていません)
そういうわけで、国務院の一部である中国外務省が何を言っても、
人民解放軍は、聞く耳を持たないと思います。
 将来、外交担当の責任者が、
党の政治局委員になれば、
いや現状では人民解放軍の強大な力を考えれば、
政治局常務委員にならないと、事態は改善されないでしょう。














































































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